価値
先日、何度か訪れた事のある大衆居酒屋で食事をしている際に「おしんこの盛り合わせ」
(¥580)と言うメニューを頼みました。
何度か注文した事もあり普通にきゅうり、カブやナス等の構成である事を
承知での注文でした。
ほどなく定員さんが私達のテーブルへ愛想よく提供してくださいました。
しかし到着した「おしんこの盛り合わせ」は記憶していた物とは全く違うものでした。
オレンジ色が強い小振りでクシャクシャしたタイプの「たくあん」(ご飯にザザッとかけて
食べたりお茶漬けに乗せるタイプの奴)と、
小学生がカットしたのではないだろうかと思える「人参(驚くほどの浅漬け)」
が5切れという2種で構成されていました。
具体的にどのようなカットかと言うと薄めに切った人参1枚をさらに4分割した
定食屋さんで付け合わせに出て来る小さい浅漬けの人参を考えて頂ければ
大丈夫です。
ちなみに量もコジャレた居酒屋のお通し2人前くらいです。
これはイケない。
この内容で¥580のお金を人様から頂戴出来ると考えられてしまったら
日本の物の価値がおかしくなってしまうと感じ、直ぐに定員さんに
『店長さん的な方はいらっしゃいますか?』
と尋ねました。
程なく店長さん的な方が厨房から来てくれて
『どうしました?』
私は手を付けていないお茶漬けの具のような「おしんこの盛り合わせ」を持ち上げ
店長さん的な方の尊厳を踏みにじらない様に丁寧にかつ慎重に、そして紳士的に
『店長さん的に有りならば問題ないのですが、この内容のオレンジ一色でこんなにも
少ない量の「おしんこの盛り合わせ」自身をもってお客さんに¥580で提供できますか?』
出過ぎた意見ではあるが人と人は対話だと考えていたので問うてみました。
『これがウチのおしんこ盛り合わせですね。』
その店長みたいな奴は即答で応えてきた為、私は狼狽し少し沈黙の時間となりました。
しまった。こいつは社内では小器用な為、一見仕事が出来る風に見えるので
人手不足の昨今、経営人の焦った人事配置により管理職的な位置に配置されているが
実は先の事を考える事が出来ないよくいるタイプの人間だ。
『スミマセン。材料が無くなってしまい残っている漬物を出してしまった
んですが、やっぱりコレは無いですよね。ゴメンナサイ。」
と正直に話せば和やかな雰囲気になり、またこの店に来ようと思えるのに
何故無理に取り繕うのだろう。
きっと少年時代に何か嫌な思いをして育ったのかもしれない。
花屋業界でも同じ様な事が多々起こります。
市場で仕入れる花を見て回っている時にとても珍しいクレマチスが並んでいたので
可愛いなぁと思い手に取って眺めていました。
値段は1本750円で5本入りなので3,750円の仕入れ値だった。
そのクレマチスは1輪で1本でしたし5本の内1本は散り始めていた。
私も花業界はそこそこいるのでこのクレマチスが日持ちしないのは明らかに
解った。おそらく持って2日程度だろう。
仲卸しの定員Aが私に『すごい珍しいですよね。」
『ですね。でもちょっと高いですよね』と話していたら仕入れ担当の定員Bが
横から入ってきて
『高くねぇよ。そんだけ珍しい花なんだから安いだろ。当たり前だ』
みたいな事を言ってのけました。
ならオマエが買えよ。と思うのです。
私がどんな花屋か、どんな仕事が多いのかも知らないクソ定員Bは、小振りで目立ち辛く、
明らかに日持ちのしない、5輪で3,750円の仕入れ値の花を『高くねえ安いだろ。』と。
コイツはどんだけ金持ちなんだろう。
きっと少年時代に親からゲームを禁止されていたのだろう。
私がもし、小売り専門の花屋であれば、750円で仕入れた日持ちの悪い2日後には散ってしまう
であろうその花を店頭で1,500円~で並べろと?
オマエごときがどの様にしてこの珍しい花を『安い』と断言出来るのかを教えて欲しい。
『小売りで売るには高すぎるよね、ただ撮影とか装飾で使えれば良い仕事するよ。』
等と言えば『ですよね~』で終わると思うのです。
接客をするのであれば自分の価値観を一旦保留してお客さんの立場になって考えるか、
正直に自分の気持ちを説明すれば良いなと改めて勉強させて頂きました。
*画像は珍しい花とは関係ありません。
